無人航空機の飛行計画の通報 ドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)(令和4年12月5日施行)
2022年12月16日
2024年8月26日
無人航空機の飛行計画の通報について 航空法・施行規則で定められている事
令和4年(2022年)12月5日から施行された改正航空法で明文化されました。
この制度は、無人航空機を特定飛行させる者が、事前に当該飛行の日時、経路などの事項を記載した飛行計画を国土交通大臣に通報する制度です。
特定飛行を行う際に飛行計画の通報をすることが義務化されており、これを行わなかった場合罰則の対象になります。
飛行計画の通報をせずに特定飛行を行った場合、航空法第157条の10に従い、30万円以下の罰金が科せられます。
航空法(飛行計画)
第百三十二条の八十八 無人航空機を飛行させる者は、特定飛行を行う場合には、あらかじめ、当該特定飛行の日時、経路その他国土交通省令で定める事項を記載した飛行計画を国土交通大臣に通報しなければならない。ただし、あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合として国土交通省令で定める場合には、特定飛行を開始した後でも、国土交通大臣に飛行計画を通報することができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定により通報された飛行計画に従い無人航空機を飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがあると認める場合には、無人航空機を飛行させる者に対して、特定飛行の日時又は経路の変更その他の必要な措置を講ずべきことを指示することができる。
3 第一項の規定により飛行計画を通報した無人航空機を飛行させる者は、前項に規定する国土交通大臣の指示に従うほか、飛行計画に従つて特定飛行を行わなければならない。ただし、航空機の航行の安全又は地上若しくは水上の人若しくは物件の安全を確保するためにやむを得ない場合は、この限りでない。
航空法施行規則(無人航空機の飛行計画等)
第二百三十六条の八十三 法第百三十二条の八十八第一項本文の国土交通省令で定める事項は、次の各号に掲げる事項とする。
一 無人航空機の登録記号及び種類
二 無人航空機の型式(型式認証を受けた型式の無人航空機に限る。以下同じ。)
三 無人航空機を飛行させる者の氏名
四 無人航空機を飛行させる者の無人航空機操縦者技能証明書番号(無人航空機操縦者技能証明書の交付を受けている場合に限る。以下同じ。)
五 許可又は承認(法第百三十二条の八十五第二項若しくは第四項第二号の許可又は法第百三十二条の八十六第三項若しくは第五項第二号の承認をいう。以下同じ。)の番号(許可又は承認を受けている場合に限る。)
六 飛行の目的、高度及び速度
七 飛行させる飛行禁止空域及び飛行の方法
八 出発地
九 目的地
十 目的地に到着するまでの所要時間
十一 立入管理措置の有無及びその内容
十二 無人航空機の事故等により支払うことのある損害賠償のための保険契約の有無及びその内容
十三 その他参考となる事項
2 法第百三十二条の八十八第一項の規定による通報は、電磁的方法により行うものとする。
3 法第百三十二条の八十八第一項の規定により通報した飛行計画を変更する場合には、第一項各号に掲げる事項のうち、無人航空機の登録記号及び変更しようとする事項を通報すれば足りる。
4 法第百三十二条の八十八第一項ただし書の規定により特定飛行を開始した後に飛行計画を通報する場合は、当該特定飛行の開始後速やかに通報しなければならない。
5 法第百三十二条の八十八第一項ただし書の国土交通省令で定める場合は、飛行計画に係るシステムに障害が発生したことにより、飛行を開始するまでの間において飛行計画を通報する手段のない場合とする。
「飛行計画の通報」とは具体的にどのような事なのでしょうか?
ドローンを飛行させる際、いつ、どこで、飛行させるかを、事前に航空局にお知らせする事です。2022年11月までは「飛行情報共有システム(FISS)」という飛行計画(フライトプラン)を登録・閲覧する為の専用のサイトで運用されていました。2022年12月以降は、ドローンの機体登録や、包括許可承認などを行うサイトと統合され、「ドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)」で、フライトプランを登録する事によって、飛行計画を通報したことになります。したがって、たとえ、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させるときや、包括許可承認を得て飛行させるときなども、「特定飛行」とされる飛行を行う場合には必ず、DIPS2.0で事前に登録して通報しなければいけません。これを怠ると処罰されます。ドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)での飛行計画の登録(通報)と閲覧(共有)
DIPS2.0では、飛行計画(フライトプラン)の登録と閲覧だけでなく、無人航空機の機体登録・包括許可承認の申請、無人航空機操縦者技能証明の申請、万一事故を起こした時の報告など無人航空機の航空局への窓口の役割を果たすWEBサイトになっています。利用するには登録が必要で、これらの様々な機能をログインして利用するようになっています。ここでは、飛行計画の登録(通報)と飛行計画の閲覧について見てみたいと思います。まず、なぜフライトプランを事前に登録(通報)しなければならないかですが、第一に安全な運航のためです。事前に登録し、航空局へ知らせるだけでなく、他の無人航空機の運行を計画している人々へ知らせる意味もあります。また、今後は、これらのデータが様々な機関へ共有されるのではないでしょうか。たとえば、有人の航空機の関係機関(現在は、航空局の個別承認されているドローンのフライトはノータムへ情報が行っています)や、警察や自衛隊などの治安維持関係の機関や、防災・消防ヘリ、ドクターヘリなどの飛行空域の高度が被る可能性の高い航空機などです。今後、ドローンのフライトが当たり前の世の中になれば、統合されたシステムや管制のしくみなどが、登場するかもしれません。DIPS2.0でフライトプランの確認方法
ログインした状態で、トップページの中頃まで画面をスクロールすると、
「飛行計画の通報・確認へ」(赤で囲っているボタン)のボタンが、
あるのでクリックします。
飛行情報が下記のようにウィンドウ表示される。表示される情報は、開始時間、終了時間、緯度、経度、高度、速度が表示される。
表示例:
表示例:
開始時間 2022/12/01 00:00~
終了時間 2022/12/01 00:30
緯度 35.00000000000000
経度 139.0000000000000
高度 10m
速度 10km/h (5.4kt)
作業の流れとしては、DIPSの登録を済ませてない場合は、登録が必要です。また、登録した無人航空機以外は飛行させることができませんので、当然、機体の登録も事前に済ませておく必要があります。
そのうえで、通報する機体の情報(求められる機体の諸元情報も含む)を登録しておけば、通報する機体を選択するだけで、毎回、機体情報を入力する必要はありません。
飛行計画の通報(DIPS2.0への登録)
飛行計画をDIPS2.0へ登録することによって、飛行計画の通報とみなされます。通報が義務化されているフライトの場合、当然ですが必ず行わなければ、処罰の対象になります。作業の流れとしては、DIPSの登録を済ませてない場合は、登録が必要です。また、登録した無人航空機以外は飛行させることができませんので、当然、機体の登録も事前に済ませておく必要があります。
そのうえで、通報する機体の情報(求められる機体の諸元情報も含む)を登録しておけば、通報する機体を選択するだけで、毎回、機体情報を入力する必要はありません。
通報する内容は下記のようになります。
実際の通報については、航空局より公開されている「DIPS2.0の操作マニュアル(飛行計画通報編)」で詳細に説明されていますので、そちらを見ていただくのが、わかりやすいと思います。
- 無人航空機の登録記号及び種類
- 無人航空機の型式(型式認証を受けた型式の無人航空機の場合)
- 無人航空機を飛行させる者の氏名
- 無人航空機を飛行させる者の無人航空機操縦者技能証明書番号(無人航空機操縦者技能証明書の交付を受けている場合)
- 許可又は承認の番号(許可又は承認を受けている場合)
- 飛行の目的、高度及び速度
- 飛行させる飛行禁止空域及び飛行の方法
- 出発地
- 目的地
- 目的地に到着するまでの所要時間
- 立入管理措置の有無及びその内容
- 無人航空機の事故等があった場合、損害賠償のための保険契約の有無及びその内容
- その他参考となる事項
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