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レーダー波の周波数分類を起源としたマイクロ波の周波数帯の名称

2024年3月11日  2024年3月11日 

周波数バンドの名称

無線技術の進歩は低い周波数から徐々に高い周波数に進んで行きました。無線技術が進むまで、マイクロ波の利用はされていませんでした。マイクロ波利用の先駆けであったレーダー技術での周波数の分類方法が、現在のマイクロ波の周波数帯分類に取り入れらています。

第二次世界大戦中、特定のレーダーバンドについて、エンジニアは実際の周波数を漏らすことなくそれらについて話すために、暗号の名称が付けられていたそうです。それらは意図的にわかりにくい文字を置き換えていたそうです。戦後、この秘密は公開され、米国電気電子学会(IEEE)は、レーダー周波数帯域の文字指定に関する規格を公表しました。これらのコードは、主にマイクロ波を扱うレーダー、衛星通信、電波天文学のために一部のエンジニアによって使用されているものです。

IEEE 規格 521 では、レーダー周波数帯域に文字バンド指定を使用することを改めて規定しています。これは、一般的な使用法における文字指定子を、それらが表す周波数範囲に関連付けました。1984年の改訂では、周波数の以前の文字指定子を維持しながら、ミリ波領域の一部にVとWを適用することが定義されました。現在の(2002年)改訂では、同じバンド名の指定が維持され、ITUの命名法に準拠するようにミリ波周波数の定義が変更されています。この規格に記載されている文字の呼称は、レーダーの使用のために設計されており、現在の実際に使用されています。これらは、レーダーに関係しない限り、他の無線または電気通信目的に使用することを意図したものではありませんが、他のマイクロ波周波数アプリケーションで一般的に使用されるようになっています。

X Bandレーダー、Ku Band非静止衛星通信システム、C Bandの衛星放送などのように使用されている周波数帯を表すために使用されています。

帯域名の由来と意味

Lバンド:1~2 GHz、Lは、Longの頭文字
Sバンド:2~4 GHz、Sは、Shortの頭文字(Lバンドに比べて波長が短いという意味)
Cバンド:4~8 GHz、Cは、Compromise(妥協、折衷)の頭文字 SバンドとXバンドの間という意味
Xバンド:8~12 GHz、Xは、eXtreme short(波長が非常に短い)の略。
Kuバンド:12~18 GHz、Ku、はkurz-underの略。Kバンドの下という意味。
Kバンド:18~27 GHz、Kは、ドイツ語のKurz(短い)の頭文字。
Kaバンド:27~40 GHz、Kaは、kurz-aboveの略。Kバンドの上という意味。
Vバンド:40~75 GHz、Vは、Very high frequency bandの頭文字。
Wバンド:75~110 GHz、Wは、アルファベットのVの次の文字。Vバンドの次のバンドという意味。

IEEE Standard Radar Band Nomenclature
(*IEEE Std. 521-2002, IEEE Standard Letter Designations for Radar-Frequency Bands)
レーダー周波数帯域のIEEE標準文字表記
バンド名周波数波 長
HF3 - 30 MHz100 m - 10 m
VHF30 - 300 MHz10 m - 1 m
UHF300 - 1000 MHz100 cm - 30 cm
L Band1 - 2 GHz30 cm - 15 cm
S Band2 - 4 GHz15 cm - 7.5 cm
C Band4 - 8 GHz7.5 cm - 3.75 cm
X Band8 - 12 GHz3.75 cm - 2.50 cm
Ku Band12 - 18 GHz2.50 cm - 1.67 cm
K Band18 - 27 GHz1.67 cm - 1.11 cm
Ka Band27 - 40 GHz1.11 cm - .75 cm
V Band40 - 75 GHz7.5 mm - 4.0 mm
W Band75 - 110 GHz4.0 mm - 2.7 mm
mm Band110 - 300 GHz2.7 mm - 1.0 mm
*IEEE Std 521-2002 (レーダー周波数帯域のIEEE標準文字指定)


International Telecommunications Union (ITU)
Radar Band Nomenclature
国際電気通信連合(ITU) レーダーバンド名称
(ITU classifications are based on region-2 radiolocation service allocations)
バンド名周波数
VHF138 - 144 MHz
216 - 225 MHz
UHF420 - 450 MHz
890 - 942 MHz
L1.215 - 1.400 GHz
S2.3 - 2.5 GHz
2.7 - 3.7 GHz
C5.250 - 5.925 GHz
X8.500 - 10.680 GHz
Ku13.4 - 14.0 GHz
15.7 - 17.7 GHz
K24.05 - 24.25 GHz
24.65 - 24.75 GHz
Ka33.4 - 36.0 GHz
V59.0 - 64.0 GHz
W76.0 - 81.0 GHz
92.0 - 100.0 GHz
mm126.0 - 142.0 GHz
144.0 - 149.0 GHz
231.0 - 235.0 GHz
238.0 - 248.0 GHz


IEEEやITU の帯域名のルーツとなった米軍のレーダーの帯域名
米軍とは別にヨーロッパ(EU)にはNATOの帯域名があります。

Military Radar Band Designations
アメリカ 軍用レーダーの帯域指定
BandFrequencyWavelength
HF3 - 30 MHz100 m - 10 m
VHF30 - 300 MHz10 m - 1 m
UHF300 - 1000 MHz100 cm - 30 cm
L1 - 2 GHz30 cm - 15 cm
S2 - 4 GHz15 cm - 7.5 cm
C4 - 8 GHz7.5 cm - 3.75 cm
X8 - 12 GHz3.75 cm - 2.50 cm
Ku12 - 18 GHz2.50 cm - 1.67 cm
K18 - 27 GHz1.67 cm - 1.11 cm
Ka27 - 40 GHz1.11 cm - .75 cm
mm40 - 300 GHz7.5 mm - 1.0 mm


EU/NATO/US ECM band
NATO(ヨーロッパ) 軍用レーダーの帯域指定
BandFrequencyWavelength
A bandto 250 MHzto 1.2 m
B band250-500 MHz1.2 m - 600 cm
C band500 MHz-1 GHz 600 cm - 300 cm
D band1 - 2 GHz300 cm - 150 cm
E band2 - 3 GHz150 cm - 100 cm
F band3 - 4 GHz100 cm - 75 cm
G band4 - 6 GHz75 cm - 5 cm
H band6 - 8 GHz5 cm - 3.75 cm
I band8 - 10 GHz3.75 cm - 3 cm
J band10 - 20 GHz3 cm - 1.5 cm
K band20 - 40 GHz1.5 cm - 750 mm
L band40 - 60 GHz750 mm - 500 mm
M band60 - 100 GHz500 mm - 300 mm
欧州連合(EU)、NATOおよび米軍は、主にレーダーに使用される電磁周波数のための一連のEU-NATO-US ECM周波数帯域に合意した。
出典:EU-NATO-US frequency bands - Citizendium


Comparison of the frequency bands defined by NATO, IEEE and ITU

NATO、IEEE、ITUが定める周波数帯の比較
TreinkvistCC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

4種類の規格を比べると名称が同一のものでも周波数帯の幅が異なるものや、名称が同じでも全く周波数が異なるものの場合があります。
例えばC Bandで、見てみると以下のように齟齬が生じることになります。
IEEEのC Band(4 - 8 GHz)、
ITUのC Band(5.250 - 5.925 GHz)、
NATOC Band(500 MHz-1 GHz)
バンド幅だけでなく、まったく異なった周波数帯を表すものがあります。

C Band」の話をしていても、どの規格での「C Band」なのか注意が必要になる場合があります。

周波数と波長帯の命名法で使用される周波数帯と波長帯の命名法
勧告 ITU-R V.431-8 (08/2015)

RECOMMENDATION ITU-R V.431-8 - Nomenclature of the frequency and wavelength bands used in telecommunications

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2015年 首相官邸ドローン事件があった年、トイドローンを手にして以来ドローンと関わっています。JUIDAの無人航空機安全運航管理者、操縦技能証明とドローン検定協会の無人航空従事者試験1級 を取得しております。無線関連の第1級陸上特殊無線技士も取得しております。 できるだけ正確に学んだことを綴って行きたいのですが、もし間違いなどありましたらご指摘いただけると嬉しいです。 このサイトはリンクフリーです。報告の必要ありません。リンクして頂けると喜びます。
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